ザ・コレクション・ヴィンタートゥール  スイス初~知られざるヨーロピアン・モダンの殿堂

みどころ

ヴィンタートゥール美術館(スイス)

ヴィンタートゥール美術館(スイス)

 スイス北部の小都市ヴィンタートゥールは、資産家たちが数多くの美術品を集めた優れた文化都市であり、人口10万ほどの都市にもかかわらず、質の高い美術コレクションを持つ3つの美術館を有します(ヴィンタートゥール美術館とオスカー・ラインハルトのコレクションを所蔵する2つの美術館)。なかでもヴィンタートゥール美術館は、バーゼル、チューリヒ、ベルンの各美術館に次ぐスイス第4の規模を誇る近代美術のコレクションを擁しています。

 ヴィンタートゥール美術館の歴史は古く、1848年に設立したヴィンタートゥール美術協会にさかのぼります。美術家、美術愛好家の寄附により少しずつコレクションが形成され、1916年には美術館の建物が竣工しました。20世紀に入り、それまで地元やスイス国内の美術家の作品が中心であったコレクションは、有力な支援者たちの寄贈によって、フランスをはじめヨーロッパの近代美術を通覧できるような内容へと拡大します。20世紀後半には、ヨーロッパのみならずアメリカも含む現代美術へと収集範囲を拡張しています。

ヴィンタートゥール美術館(スイス)

オディロン・ルドン 《アルザスまたは読書する修道僧》1914年頃 油彩、カンヴァス

 この美術館が2009年から改修工事を行うことになり、コレクションの名品を集めた展覧会が昨年からヨーロッパの3都市で巡回されました。今回の日本巡回展はこれに引き続き、この優れたコレクションから新たに作品を選出して日本で初めて公開するものです。

 本展では、19世紀半ばから20世紀半ばまでのヨーロッパ美術のダイナミックな変貌を、主要な美術家の名品によって紹介します。よく知られたフランス美術の作品群とともに、ヴィンタートゥール美術館の特徴をなす、スイス、ドイツの美術の流れも対比的にご覧いただけるよう構成しました。

 ドラクロワに始まり、コロー、モネ、ピサロ、ルノワール、ファン・ゴッホ、ルドンへと続く19世紀フランス美術の作品は、美術史の流れを教科書的に体感できるものです。本展ではそこに、アンカー、リーバーマン、コリント、ホードラーといった同時代のスイス、ドイツの著名な画家の作品が加わります。また、ドニ、ボナール、ヴュイヤールといった世紀の変わり目に活躍したナビ派の作品とともに、同じグループに属していたスイス生れの画家ヴァロットンの作品5点を展示します。

ヴィンタートゥール美術館(スイス)

アンリ・ルソー 《赤ん坊のお祝い!》1903年 油彩、カンヴァス

ヴィンタートゥール美術館(スイス)

フィンセント・ファン・ゴッホ 《郵便配達人 ジョゼフ・ルーラン》1888年 油彩、カンヴァス

 20世紀美術に関しても重要な美術家の優れた作品が網羅されています。アンリ・ルソー、ピカソ、ブラック、レジェ、マルケ、ヴラマンクといったフランスを中心とした画家の作品とともに、ベックマン、カンディンスキー、ヤウレンスキー、クレー、ココシュカら、ドイツを中心に活動した巨匠の表現も紹介し、モダン・アートの展開の多様性を実作によって体験いただけます。スイスの巨匠ジャコメッティの4点もこのコレクションならではの見どころでしょう。

 これまでまとまって美術館を出ることがなかったヨーロピアン・モダンの息吹を伝える90点の作品は、すべて今回、日本初公開となります。

このページのトップへ

東京・世田谷美術館2010年8月7日(土)~10月11日(月・祝) ■栃木・宇都宮美術館2010年6月13日(日)~ ■神戸・兵庫県立美術館2010年10月21日(木)~ ■長崎県美術館2011年1月21日(金)~

click